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2011.06.06 Monday

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2007.03.03 Saturday

さくらん

最近の土日はだらだらしてるなあ。
食う、寝る、歩く、映画、腹筋、悶々。

「さくらん」監督:蜷川実花

蜷川実花の写真世界がそのまま動いてる感じ。その期待・予想は裏切られない。
でなければ彼女が撮ることの意味はないが、その意味では、大成功。
蜷川実花が映画化をするにあたって、この素材はうってつけだったと思う。目まぐるしくも甘美で色鮮やかな映像は、スクリーンで見るべき。
椎名林檎による音楽と、映像と女優陣、すべてが相まって女性による女性のための一大オーケストラかカーニバル、という感じ。

映画「さくらん」の世界は、かつて実在した吉原というよりは、異次元吉原。
時代も場所も国さえも不詳。頭上に金魚が舞い泳ぐ門をくぐるとそこは、おとぎの世界に限りなく近いような、妖しさ漂うフィクショナルな街、という感じがした。
それは、土屋アンナや安藤政信や成宮君のお顔があまりにも国籍不詳だったからか、クラシックやタンゴやジャズもありの椎名林檎による音楽のせいか、衣装や美術が時代考証云々よりも、この映画のためのオリジナルな美意識に徹底していたからか。それとも夏木マリが、まんま「湯婆」だったからか・・・。
漫画が原作なのだから当然といえば当然だが、本当の意味でのリアルさを端から志向せず、独自の世界観を突っ走っているところが潔い。ここまでやられると、突っ込む気さえ失せ、どっぷり浸れる。

ソフィア・コッポラの「マリー・アントワネット」と並べて「ガールズ」カテゴリーに分類されている本作。趣向は全然違うが、確かに女性のための、女性による映画だ。
登場する女優たちは、みんなよかった。あくまでも美しく、むき出しな感じで。中でも菅野美穂は、一皮剥けたというか、まさに伝説的花魁の凄みがあった。木村佳乃も意外な程に大胆な演技で、寺島しのぶみたいだった。土屋アンナもさすがの貫禄。
それに比べて、男性陣はみんな添え物的というか、ぱっとしない。中でも永瀬正敏。この役で出る必要なかったんじゃ・・・?と思うほど。(そういえば元奥さんの小泉今日子も出ていたんですね。エンドクレジットで名前が出てくるまで気がつかなかったけど。)

安藤政信演じる清次さんを、他のぱっとしない男性陣と分けているものは、女郎の子供として生まれ廓で育ち、彼自身は遊女とは寝ない(多分。じゃあどこで誰と、という突っ込みはあえてせず)という点。あくまでもクールに、淡々として仕事をする彼は、女郎に入れあげ情けない体を晒すその他の男達に比べると、ちょっと仙人めいた感じさえする。でも、他に比べればまだ役どころは良いとしても、よくよく考えると、いつもそこにいて、安心感を与える人ではあるけれど、日暮はまさに「てめえの人生、てめえで咲かす」をしてのけている。どっちかというと、清次の方が日暮の力強さに乗っかったように思える。
映画の結末のその先が、気になる。
その先に穏やかな幸せなどあるはずなく、桜が咲き狂う中、幸せそうに佇む2人が実は、その間逆のものを背後に孕んでいるからこそ、ラストシーンは切なく儚く美しく映る。
あれ、これってベルサイユ宮殿という囲われた享楽の園を追放され、その後には非業の死を迎える「マリー・アントワネット」と、構造としては奇しくも酷似??「さくらん」では、自分から出て行っているところが違うけど。

「てめえの人生、てめえで咲かす」というセリフが漫画にあったかどうかは覚えていない。
日暮の生き方を表すフレーズではあるけど、この映画では、それそのものが強いメッセージになっている。しかしそれは、並大抵のことではないよなあ、とつくづく思った。
だいたい、咲かし方がわからん。

ところで、安野モヨコの原作にその後のエピソードを加えたオリジナル脚本とのことだが、安野モヨコの意見も入っているのだろうか。
何となく、この映画のことがなくて、漫画の続編を彼女が描いたとしたら、違う結末になったような気がする。同じだったとしても、安野モヨコが描くそれもまた、読んでみたい。

翌日、妹が借りてきたDVDで「嫌われ松子の一生」を見た。
映画館ではじめて見たときよりも、「そんなに悪い話じゃないな」と思えた。
2011.06.06 Monday

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